桐朋小学校

URL/ http://www.toho.ac.jp/shogakko/index.php

 

紹介ページ/  http://www.jyukennews.com/01s-shuto/s-shuto-touhou.html

 

 

〒182-8510  東京都調布市若葉台1-41-1

TEL/03-3300-2111

 

◇アクセス

京王線 仙川駅 徒歩8分

学費

授業料(年):  約583,200円

入学金:  300,000円

 

その他:  約35,500円、

昼食時飲料代: 

寄付金:  

建学の精神

■桐朋小学校の教育

今、子どもたちは、飢えることもなく、あり余るものに囲まれて生活しています。しかし、子どもたちが恵まれているかというと、決してそうではありません。たとえば、放課後、安心してあそべる遊び場やゆったりとした時間もなく、いっしょに遊ぶ友だちもいないのが多くの日本の子どもの現実です。私たちは、こうした子どもたちの現実に根ざして教育活動をすすめていきます。

 

 

○顔が見える学校を-桐朋小学校の学校改革

桐朋小学校は2004年度から学校改革をすすめています。私たちはこの学校改革の理念を端的に表すことばとして、「コミュニティーとして成立する学校」「子どもたちの顔が見える学校」と呼んでいます。制度的には今より少人数の学校規模にしていきます。すでに2004年度の1年生から1クラス24名の3学級、1学年72名の規模となりました(従来は、1クラス36名の3学級、1学年108名)。これは順次進行し、低学年は24名3学級・学年72名、中高学年は36名2学級・学年72名、2009年度には全校432名の学校規模となります(従来は、全校648名)。現代の少子化、情報化の社会の中で、いっそう個に応じた教育をすすめ、コミュニケーションや集団を形成する力を育てる教育という一見相反する二つの要素を顔が見える学校の中で追求していこうということです。

「顔が見える学校」とはどんな学校でしょうか。子どもたちにとっては、そこにいる人々を実感できるクラスや学校をつくる、ということです。教職員にとっては、実質的に全校の子どもたちを全教職員で育てていこう、という改革の理念です。

子どもの発達段階に応じてさまざまな集団組織を用意することも改革の大事な理念です。すでに述べた低学年段階における24人のクラスサイズはその典型でしょうし、中高学年段階における分割授業やチームティーチングの導入など、授業場面における実質的に少人数化を図ることも実践しています。

 

○豊かな感性を育む

私たちは、まず子どもの感性を豊かにします。学校の日常生活のなかで、教室の授業をとおして、自然広場や理科園や畑で出会う身近な自然や、八ヶ岳高原寮での合宿生活など、さまざまな場面で豊かな感性を育てます。

この時期に身につけたみずみずしい感性は生涯の宝物となります。人の成長は、その時どきにそれぞれ敏感に働くところがあり、その時期に身につけたものは、一生持ち続けることが多いのです。私たちは、できるかぎり本物に触れさせる教育を行い、まっとうな、豊かな感性を子どもたちが持つよう心がけていきます。

また自分のメッセージを人に伝えたい思いは、人と人の結びつきの基本です。1年生から国語などの教科で、話すこと書くことをとおし、その感性を指導しています。ことばの世界だけではなく、音楽の歌声やリコーダーの演奏、美術の制作、体育では民舞の踊りなどによりこの力を育ててゆきます。そのために音楽や美術や民舞は1年生から専科教員による指導を行っています。表現する感性は、人からのメッセージを受け取れる感性でもあります。私たちは、この力を大きく育てるよう努めています。

 

○伸びやかな身体を育む

小学校の6年間に子どもの身体はめざましく成長しますが、近ごろ子どもたちの身体からしなやかさが失われているといわれます。とっさの動きについてゆけず、手が出ないで頭にケガをしてしまう子どもがいます。身体が周りに対して閉じていると、実感で物事を感じとれなくなります。ゲームなどに代表される仮想の世界に取り込まれるとどうなるかは、最近のさまざまな出来事が物語っています。私たちは、身体と心は本来不可分なものであり、しなやかな身体と、心が世界に開かれている状態とを一体としてとらえ、家庭や学校で子どもたちが、五感をとおして生活することが今とても重要であると考えています。

子どもの身体がしなやかであるためには、外で思いきり遊ぶことです。走ったり、上ったり、飛び降りたりする中で、自然にしなやかさが身についていきます。私たちは、そうした活動のできる環境を整えています。

 

○確かな学力を育む

私たちは、子どもの学力を充実させるため、選りすぐった、優れた文化財を教材にしようと研究し、努力しています。国語、社会、算数、理科、音楽、美術、体育の教科教育は、なんといっても学校教育の中心です。各教科では、まさに手作りの教材が作られ、日々実践されています。

文学作品など、古典はもちろんのこと現代の作品も積極的に取り入れ、子どもたちがさまざまなジャンルの物語に出会えるようにしています。算数は全学年のテキストを本校で編纂し、筋道だった学習が出来るようにしてあります。桐朋小学校には各教科のたくさんの教材の蓄積があり、それらは大きな財産であると自負しています。

児童期の学習で特に大切にしなければならないのは、具体的な物や事柄としっかり結びつけて学習が展開されなければならない点です。いずれ抽象的な学習を展開してゆくために、この時期は五感を十分に働かす学習が欠かせません。その一例として、低学年国語の草花の学習は、子どもたちが身近なところで採集した草花を教室に集め、名前を調べます。そして本校編纂の、草花について書かれた「読み方」教材により、その草花(事物)とことばを結びつける学習をします。

算数では、キャラメルなどの実物を教材に使い、さらに「タイル」を活用して、数の世界を量としてとらえる授業をしています。実験・観察を重視した理科は、4年生から専科制をとり、専門的見地からの指導が行われています。

 

○総合活動で、生きる力を育む

桐朋小学校は1980年代より、総合活動を先進的に実践してきました。すでにさまざまなジャンルの実践が数多く行われ、その中で子どもたちが生き生きと活動しています。たとえば栽培活動がそれです。1年生から4年生までは校内の畑で、5年生と6年生は校外の畑で作物を作ります。社会科の学習と結びつけた、ごみの総合学習もよく行われます。4年生から始まる八ヶ岳高原寮での活動も、多くの総合的学習の要素を持ち、大自然の中で合宿生活をおくりながら展開されています。

3学期は、例年演劇の活動が盛んになります。各学級で子どもたちが劇の台本を選んだり、自分たちで作ったり、あるいは、本校の教員が書いた台本により劇づくりを活発に行います。運動会で発表した「沖縄の踊り」を発展させて劇にした学級など、さまざまな活発な総合活動が展開されています。

その他、自分の身体を知る学習、戦争体験を聞き書きする活動、ヒロシマへの修学旅行の学習など、教科の枠を超える学習・活動、教科相互の内容を合科する学習・活動で生きる力を育てていきます。

 

○子どもの主体性を育む

子どもたちが、やりたいものを自ら実現してゆく力が衰退しているといわれています。大人の指示を待つ子ども、できれば他の人がやってくれるのを望み、あまり力を使わないで生活したい子どもが多くなっています。私たちはこうしたことを克服するために、低学年から学習その他の活動のグループを編成すること、学級でまとまって遊びを楽しむこと、掃除をすること、学級の係の仕事をすること、自治的なグループ・委員会に所属し活動すること、新入生歓迎会などの行事を企画、実行すること、自然広場の管理をすることなど、大事にしています。こうした自治活動をとおし、社会性を身につけるばかりでなく、活動の担い手としての積極性も獲得させてゆきたいと願っています。

私たちは、頭も、体も、心も、どれもかかわりあって、生き生きと活動できる子どもをめざしています。

 

○通信簿のない学校

私たちの教育に対する姿勢を表すもう一つの切り口が、評価の方法です。桐朋小学校には創設以来、通信簿がありません。学習の評価はタイムリーに行い、子どもの学習にすぐに生かしてこそ意味があると考えるからです。つまり評価は、判決ではなく、進歩してゆくためにあるということです。通信簿よりも、年2回の個人面談を大切に考え、子どもそれぞれの状態、学習や生活全般について担任と具体的に話し合い、家庭と学校でともに力を合わせて子どもを育ててゆきます。したがって、テストも序列をつけるために行われることはなく、ましてや、テストの点数で人間の価値をきめてゆくようなゆがんだ意識を子どもに持たせないようにしています。また、学級懇談会も毎月開かれて、学習面や生活面について担任と保護者の懇談が行われています。

 

○推薦制度と子どもたちの育ち

幼年期、児童期、青年期には、それぞれの時代の育ちが必要です。桐朋学園では小学校も中学校も発達の時期に合った独自の教育実践を展開しています。桐朋小学校には、男子は桐朋中学校へ、女子は桐朋女子中学校への推薦制度があります。この制度により、いわゆる「受験勉強」をせずに例年、ほとんどの卒業生が、両中学校に推薦され、進学しています。両中学校とはさまざまな交流が行われ、学校間の連携が大切にされています。

この制度は、今まで述べてきたようなその時期、その時期の育ちを実現してゆくために優れたものです。教育の目的を、自らの人生を自らの手で切り開いてゆける人間を育てることと捉えるので、長い目で子どもを見てゆく必要があります。桐朋学園では、それが制度の上でも保障されています。

教育の特色

■教育課程

子どもを真に人間らしく育てようというあたりまえの教育を目指す、これが小学校誕生以来、一貫して求めつづけている教育の姿勢である。しかし、このあたりまえのことが、決して簡単なことではないというのが現実である。 子どもたちが毎朝学校へ来ることを楽しみにするような学校生活を作り出したいと願い、教科学習や様々な子どもの活動に子ども自らが取り組んでいくようにしている。そして、遊びなどもふくむあらゆる子どもの活動をとおして、学ぶことがたいせつにされている。

こうしたことを実現していくために小学校では現在、教育の領域を三つにわけて、教育課程を考えている。

1. 正しい知識、必要な技術、豊かな感情を育てる教育の分野~教科教育

2. 創造的な活動能力を育てる教育の分野~総合的な活動

3. 集団的自治的活動の能力を育てる教育の分野~学級会・児童会活動・八ヶ岳合宿活動

当然のことながら教科教育は、学校教育の主要な部分である。確かな学力をつけるために、誰もがわかる授業をつくりだすために、各教科の学習で桐朋小学校独自のテキストや学習プリントがつくられ、日々の授業に役立てられている。

音楽・美術の芸術教育は1年生から専科教員が担当し、専門性の高い授業が行われる。

体育においては、1年生から4年生までは専科の授業が週1時間設けられ、5、6年生は週3時間とも専科となる。

理科は4年生から専科の授業となる。

総合的な学習はすでに20年以上も実践されており、ものづくり、劇活動など多彩な授業内容が用意されている。

創造的な活動、自治的な活動も重視されている。この活動を通じて、創造性、自発性、主体性、社会性、道徳性、自治能力、運動能力などさまざまな力を培うことをめざしている。

合宿活動は4年生からはじまり、夏(4年)、秋(5年)、初夏(6年)に八ヶ岳の自然を楽しむ。

修学旅行は学習旅行として位置付けられ、ここ数年は広島-大久野島へ行っている。

放課後は、4時まで学校に残ることができ、その遊びの中で集団性を培うことも重視されている。

 

○確かな学力を育てる実践をすすめていきます。

「復習テスト」の取り組みは、私たちの仕事における共通の尺度づくりの実践として定着してきました。「復習テスト」の実施後、結果を集計し、分析し、算数や国語など教科学習の課題を見出していきます。それは教科内容の改革や授業改革に結びついていきます。また、教科カリキュラムの改革・授業改革に結びつけることとともに、個々の子どもへの指導、「高学年基礎の時間」「少人数基礎の時間」の内容にも結びつけていきます。よりきめ細かな指導を行うために、高学年担任、専科、教務に加え、1年・2年担任も「少人数基礎の時間」に参加していきます。 まとめていえば、私たちが子どもたちの学力を把握し、子どもたち自身が課題を見いだせるよう指導し、援助していくという態勢が組織的に行われていく、ということです。「学力問題」が日常、文部科学省においても、マスコミにおいてもさまざまに語られています。こうした状況にも着目しながら確かな学力を育てる実践をすすめていきます。 このことにかかわり今年度もきめ細かい学習指導のため、実質的な少人数教育を行うために、算数を中心にした「学習補助員」を三学年以上の各クラスに配置しています。週3時間程度、授業における学習補助や放課後の個別指導に入ります。

 

○主体性を育む自治の実践をすすめていきます

子どもたちの創意を生かし、ゆとりを持って自主的に活動を展開していけるよう、また意識的に活動を持続させるため、月三回程度「自治の時間」を位置づけています。5、6年が中心となりながら、縦割り(1~6年)の活動やパートナー学級の活動、始業式・終業式の司会、1年生を迎える会・6年生を送る会の運営、子ども集会、児童会発表の活動など、教員の援助のもと子どもたちが自分たちの活動・生活を自主的に組織していくことをさらに展開していきます。「子どもが主人公になる学校」をめざしていきます。

  子どもたちの活動をきめ細かく指導していくため、そして低学年との自治的活動(縦割り活動)の可能性を追求するため、1学年・2学年担任も「少人数基礎の時間」と同様に「自治の時間」にも参加しています。

  教育構造の大事な部分を占める自治的諸活動は、「自治の時間」に限定して考えるのではなく、運動会の活動、合宿活動、学級の活動で日常的に、発達段階に応じて実践していくことを大切にしていきます。

 

○「ゆるやかな専科-担任制」について

学校改革の内容の一つに、高学年における「ゆるやかな専科-担任制」があります。「ゆるやかな専科-担任制」とは、担任教員が教科の専門性を持ちながら担任に位置づいていき、また、専科教員が担任として位置づく制度です。

高学年に行くにしたがって、教科内容は高度になり、革新のスピードもはやくなっています。専門的・継続的に教科について研究することがもとめられているのです。 とはいえ中学校段階のような専科=担任制では、小学校教育の総合的な課題に対応することはできません。また、専科として学年全体の授業を持つことは、学年の教員で子どもみんなをみていくことになります。その面からも学校改革の理念・子どもたちを全教職員で育てていくことの実現につながります。 したがって、単純な専科制ではなく、担任するクラスの授業を中心に持つ制度とし、高学年における教科内容の高度化に対応することと、小学校担任として子どもの発達を総合的に見守る役割の両方を追求することをめざします。

学校改革の制度的完成の今年度、高学年における「ゆるやかな専科-担任制」が本格的に始まります。「ゆるやかな専科-担任制」の実際について、5年生を例にしてご説明いたします。

5年東組では、担任が自クラスで国語2時間、算数5時間、社会3時間、総合3時間の計13時間持ち、5西で社会科3時間と国語を2時間持ちます。5東には、国語専科3時間、理科専科3時間、体育専科3時間、音楽専科2時間、美術専科2時間、図書専科1時間が受け持ちます。

5年西組では、担任が自クラスで算数5時間、総合3時間、美術2時間の計10時間持ち、5東で美術2時間を持ちます。5西には、国語専科5時間、社会科専科3時間、理科専科3時間、体育専科3時間、音楽専科2時間、図書専科1時間が受け持ちます。運営委員長は特に5時間の算数を協働して位置付きます。

また、教務は、5年、6年の国語、社会科を計13時間受け持つことになります。

学年付き担当として1名がそれぞれ入り、学年団会を持ち、子どものこと、学年の教育活動のことを協働していきます。また、ゆるやかな専科-担任制5年会議・6年会議を持ち、教科指導や子どもの指導について協働していきます。 ゆるやかな専科-担任制の実際については、5学年・6学年懇談会で説明されます。また、今年度始めての実践ですので、絶えずその実際の進展を確かめながらすすめていきます。

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